アンモライト
アンモライトは1979年にカナダのアルバータ州で発見された比較的新しい宝石です。外観がオパールに似た七色のイリデッセンスを示す特異な天然石です。
~*~*~*~*~*~*~*~*~**~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
「アンモライト」と聞いて???と思う方面多いと思います。「アンモナイト」は聞き覚えのある言葉だと思いますが。。。。。
アンモライトの名の由来は「アンモナイト」から来ています。
つまり、「アンモライト」とは簡単にいえば、あの太古の生物である「アンモナイト」の化石が宝石になったものです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そのことは、原石(?)を見れば一目瞭然です。
最近では、エメラルドや水晶など、宝石によっては、穴を開け、鎖に通すなどして原石のままネックレスやピアスなどの宝飾品としてに使うことがありますが、
アンモライトの場合、通常、宝飾品としては、表面を薄く切り取って使用されます。
なぜなら。。。。原石が非常に大きいからです。
隣に写っているのが通常の大きさの携帯電話です。
流石にこの大きさでは身につけられないので、手のひらサイズにカットされます。
そのため、形状や見た目がちょうどボルダーオパールに似ていることから、オパールの類似石として使用されたり、オパールと混同されている方も多いようです。
しかし、外観はオパールに似ていますが、オパールとは構成物質が少し異なります。
オパールはケイ酸球と呼ばれる球状の結晶が規則正しく配列していますが、
このアンモライトはアラゴナイトと呼ばれる炭酸カルシウムの結晶が規則正しく積み重なっています。
アラゴナイトは貝殻などの主成分で、当然アンモナイトの殻にも多く含まれています。
通常、貝殻はこのアラゴナイトとコンキオリンというタンパク質の積層構造となっております。
イメージ的にブロック塀に例えると、アラゴナイトがブロックで、コンキオリンがそのブロックをつなげるモルタル(セメント)のような関係です。
ちなみに、この「アラゴナイト」と「コンキオリン」による「ブロック塀構造(?)」で有名なものに、真珠が挙げられます。
つまり、アンモライトはオパールよりも真珠に近い構造をしているといえます。
今回のアンモライトは永い年月によって化石化したアンモナイトの殻が風化などのいろいろな条件が重なり、アラゴナイトだけの積層構造となったものと考えられます。
では、何故、七色に光るのか??
アラゴナイトの結晶は基本的には透明から半透明です。
つまり、光を通します。
また、アラゴナイトの表面には少なからず光沢があります。(ガラス光沢~樹脂光沢)
ここで、アラゴナイトの結晶は何層にも重なっているので、それぞれの層の表面で反射した光が目に戻ってくる際に干渉しあって様々な色にみえます。(この光の現象を「イリデッセンス」といいます。)
このように、アンモナイトの表面にアラゴナイトの結晶が重なってイリデッセンスを示すものを「アンモライト」といいます。