カシャライアメシスト
カシャライ鉱山とはブラジルロンドニア州にある鉱山で、1999年9月にレアメタルのタンタライトを採掘していた鉱区で色の濃い美しいアメシストが発見されたことにより、弊社とブラジル4社の共同プロジェクトとして鉱山開発されました。2000年∼2004年の4年間で760トンのアメシスト原石を採掘し、日本市場にはカシャライアメシストのトレードネーム(流通名)で供給が始まりました。
カシャライ鉱山産のアメシストの見た目の特徴としては、先ず、他のブラジル産やウルグアイ産アメシストと比較し色が濃色で大変美しいことです。そして、結晶構造のr面とz面での色味(赤味と青味)の違い、z面におけるカラーゾーニング(色帯)が非常にシャープであることがカシャライ産の特徴として挙げられます。
実は、このカシャライ鉱山産のアメシストには鑑別機関を少々困らせる一面があります。それは赤外分光分析による3534cm-1の吸収です。この赤外吸収特性は、このアメシストが発見されるまでは世界的にも合成アメシストの特徴とされていました。つまり、今まで定説であった『3534cm-1の吸収特性があれば合成!』という考え方が覆りました。これは当時のアメシストの天然・合成の判断を難しくしたという意味で大きな事件でした。拡大鏡を用いた内包物や結晶構造とカラーゾーニングを観察、確認することで判別せねばならず、検査技師に豊富な経験値が必要となってしまいました。
またもう一つ、このカシャライアメシストには昨今ネット市場ではとても有名な別名が付いています。それは『カラーチェンジアメシスト』という名称です。この名称についてはいろいろな意見があるようです。事実、z面部分の原石から研磨された石は、自然光や蛍光灯下では綺麗な青紫色をしていますが、ペンライトやスポットライト等の白熱灯下では赤紫色になりますから、商品名としてはとてもいい名称だと思うのですが、現状では鑑別機関で変色効果ありと判断されませんのでお知りおきください。
この様にいろいろと特性を持ったカシャライアメシストですが、宝石としての見どころは何と言ってもその色味です。
色の濃さには好みがありますが、濃いながらも鮮やかさのある紫色のものが高品質とされています。青紫(バイオレット)系か赤紫(パープル)系かはお好みです。ただし、濃いものの方が色の変化が分かりやすい傾向にあるようです。
また、色帯や色溜まりの多いのもこの石の特徴です。色乗りが石全体に均一であるに越したことはないですが、天然石として様々に表現される色の濃淡をその石の個性だと感じて頂ければ幸いです(^^)。
逆に、シャープな色帯によってバイカラーになっているものなどはそれはそれで別の楽しみ方があるかも知れません。
その他としては、当たり前ですがインクルージョンの少ないものが理想です。インクルージョンは、結晶が天然に成長する過程で刻々と変化する大地の営みによる証として必ず存在しますが、カラーチェンジということで光を当てて楽しむような石では光を当てる事によって通常見えないものまで見えたりするからです。
この様に、鑑別による名称がどうであれ、美しい濃紫色で、かつインクルージョンが目立たず、バイオレットからパープルに変化するようなアメシストは身に着けていてもとても楽しめる宝石だと思います。

















